ホームページ

日本・ベトナム交流促進センターからの呼びかけ

ベトナムの子供たちへの教科書・図書、図書室寄贈活動

ベトナムでは小・中学校は義務教育になっていますが、教科書は自分で購入せねばならず、全国平均の年収が300ドルに対し教科書代だけで児童1人あたり年間10ドルにのぼり、かなり大きな負担になっています。
特に、山岳地帯の農村では自給自足に近い生活が営まれており、負担はいっそう重たいものになっています。これらいわゆる貧困地帯では、児童の途中退学がかなりの数に上り、大きな問題ともなっています。
また、現状として、農村地帯では山岳部・平野部を問わず学校にはほとんど図書が備えられていません。特に山岳地帯では生徒が利用できる図書室や読書室はほとんどありません。
児童を抱える家庭に対する経済的負担を少しでも減らし、児童に本を通じて新しい知識に接し、いろいろな関心を持ってもらうため、教科書や図書をベトナムの小学校に寄贈したいと思います。また、それにともない、小さな規模ですが子供たちが共同で利用できる図書室を開設し、教師たちの助力のもとで児童たちに自主的に運用を任せたいと思います。

当センターでは、本年2001年から、ベトナム・エコノミスト協会傘下のベトナム経済・社会開発研究センター(以下「経済・社会開発研究センター」)と協力して、教科書・図書を寄贈する運動をはじめることにしました。
経済・社会開発研究センターは、これまでハナム省やナムディン省で農民・漁民に対する勧農活動、資金貸付などを展開した実績を持ち、また世界銀行などと国際援助活動に対する評価を行っています。組織形態としては当センターと同じNGOで、ベトナムの人々(主要に経済研究者)によって運営されています。
当センターではこのベトナムの国全体の経済状態などを調査する能力を持ち、NGOとしてすばらしい実績を上げ、財政的にも明瞭に運営されてきた「経済・社会開発研究センター」を通じて基金を運営することによって、交通費や調査その他の不必要な経費を軽減し基金のほとんどを図書の寄贈に振り向けることができるようにします。

寄贈の実施にあたっては次のように考えています。

  1. 手始めとしてハノイ近郊の農村で試験実施し、その後、経験を踏まえてランソン省(北部の山岳地帯で、少数民族が多く居住する地方)から偏狭地区への寄贈を開始する予定です。ハノイ近郊の学校では、教員との協力を求め小学生自身に管理をまかせ、貸出し記録をとりどれだけの効果をもたらすのかを調べ、寄贈活動の標準的なモデルを作ることを目的としています。
  2. 1校(10クラス2000人の児童を基準として)あたり2000冊の図書(参考図書・文学・自然科学書など)と児童向けの新聞・雑誌(「少年」、「児童」、「子供の算数」、「学校の情報処理」や一般常識に関する雑誌)の定期購読を予定しています。1冊当たりの単価は1万ドンぐらいとして、新聞・雑誌および書棚購入・設置費用を含めて1校あたりに対する寄贈額の合計は2000米ドル(日本円にして25万円弱)を予定しています。当面、半年から1年間ほどハノイ近郊で試験実施を行います。(経過は随時ホームページで発表します)
  3. さらに経済・社会開発研究センターから、寄付した方が訪越した際に、寄贈した学校(当面はハノイ近郊のみ)への訪問を希望される場合は、訪問できるようにするという申し出がありました。(ただし、時期によっては実現できない場合もありますのであらかじめご了承ください。また通訳などの手配は含まれません)
  4. 当面は、教科書の寄贈は資金額として見合わないので、参考図書や一般の図書に限定いたします。

受け取ったお金は次のように使用され、報告されます。

  1. 経済・社会開発研究センターが当センターとの事前打ち合わせを踏まえて寄贈対象校を決めます。
  2. 受け取った拠出金を使って教科書・図書を購入し、交通手段を調達し、現地に出かけ、学校に送り届けます。
  3. 対象となる学校の状況に応じては、現地で人を雇い資材を購入して図書室を設置します。
  4. その後、経済・社会開発研究センターからその学校にどれだけの本を送ったか、また、交通費にどれだけ支出したか、図書室設置にはどれだけの費用がかかったかなどの支出明細の報告を受けます。
  5. 当センターでは、その報告を受けて、インターネットなどを通じて結果を拠出者に報告します。
多くの読者への参加を呼びかけます。


 2001年3月1日
     日本・ベトナム交流促進センター


経過報告