「経済時報」(Thoi Bao Kinh Te Viet Nam)より要約
1- 第6回ASEANサミット
12月15-16日、ハノイにおいて第6回ASEANサミットが開催された。
ハノイ行動プログラムでは優先すべき10分野が策定された。その分野とは以下の通り。1.地域の平和と安定の強化、2.ASEANの地域的・国際的役割、3.マクロ経済と金融面での協力、4.経済の一層の緊密化、5.情報技術と科学技術のインフラ、6.社会開発と地域の金融危機が引き起こした社会作用の処理、7.人的資源の開発、8.環境保全、9.ASEANに関する認識の向上、10.ASEANに関する体制の強化。
また、会議はカンボジアがASEANの正式なメンバーとすることで一致をみた。
2- 第6期(第1回)中央委員会会議
10月13-17日、周辺諸国の通貨危機を背景として、ハノイにおいて1999年の経済・社会開発計画を策定するために開催された。
「8つの特別方策」として、1.経済社会安定の基礎として農業及び農村の開発に集中する。2.投資資金の効果的な調達・活用を図る。3.国内外の市場を拡大するための方策を見いだす。4.国家財政の開発と安定を図り、社会全体の貯蓄率向上の徹底、蓄積を軽視し消費を重視する傾向の排除、5.生産関係の刷新、小さく効率的な行政・国家機構の改革の推進、6.緊急な社会問題の解決、雇用機会の創出、飢餓一掃・貧困軽減、基礎単位における民主化の推進、教育・文化の発展、7.全人民の健康の増進、効果的な社会腐敗の抑制、8.国防・治安の強化、効果的な党の議決・政府の政策の実施、が示された。
3- APECへの参加
アジア・太平洋協力フォーラム(APEC)の第10回外相会議にてベトナムを21番目の正式なメンバーとすることを決定した。
引き続き行われたAPEC第6回高級レベル会議で、国ごとの行動計画として、ベトナムは以下の事項を約束した。関税の改革、APEC諸国と同様の関税制度への移行、2020年までの貿易の自由化の実施。外国企業の活動に対する許可手続きの簡素化、良好な条件づくり。2000年までに、外国法律事務所に活動を許可し、外国保険会社のサービス活動を許可し、APEC加盟国の航空会社のベトナムにおける販売・航空サービス活動への条件づくりを行う。
4- 27億ドル:政府開発援助(ODA)の約束
12月7-8日にパリで第6回ベトナム援助諮問グループ会議が開催された。内、5億ドルは無条件で経済構造の再構築に当てられる。42億ドルは史上最大規模である。また、今回の会議の主題はベトナムの農業・農村開発と飢餓一掃・貧困軽減であった。
直接海外投資が落ち込み、回復のめどが立っていない状況(前年比50%)にあって重大な意義を持っている。
5- 旱魃の深刻化、長期化
北部各省の降雨量は以前に比べ約半分に過ぎなかった。そのため、乾季に入るや耕作および生活への影響が始まった。特にタイグエン(中部高原地方)では深刻であった。ホアビンダムの稼働率も12月には最低に落ち込んだ。一方、メコンデルタでも全く増水が起きず、塩と明礬に浸食されている広い範囲の耕地に(塩と明礬が洗い流されなかったが為に)悪い影響が生じた。異常気象はその後、中部地方で5つの台風による383人の犠牲者、1434億ドンの被害をもたらした。
6- 大規模な密輸、汚職
大規模な密輸事件としてはタン・チュォンソン事件がその典型であった。1996年の1月から97年8月までに、自動車、バイク、電子機器、洗濯機などを積んだ756コンテナーを密輸し、その際、国家役人に対し1人当たり100万ドンから150万ドンの賄賂を贈った。この事件の関係者72人のうち、半数以上は役人であった。この事件は770万ドルの損害を国家に与えた。
ミンフン・エプコ事件の起訴状も完成した。この事件は現在までに77被告を数え、3兆5470億ドン(約350億円)と2540万ドルの国家財産を横領した。この金額は現在までの石油による国家収入より多い。
7- 金杯を逃す(サッカー、タイガーカップで)
ベトナムで開催されたタイガーカップにおいて、決勝戦でシンガポールに1-0で敗退し惜しくも優勝を逃した。しかし、強豪タイには3-0で勝ち大きな慰めとなった。開催中、大都市では国旗とホーチミン主席の写真が掲げられ、あたかも祭日のようであった。サッカー場では国歌が起立して歌われた。
8- 為替レートの調整
周辺各国の通貨危機の圧力により、ベトナムも2度為替レートの調整を行った。1月に5.29%、8月に6.55%である。それ以前の調整を含めると、1997年7月に比べ19%の切り下げ、1996年12月に比べて26%の切り下げとなる。その結果、危機の影響は緩和された。
9- 特赦
53回国慶節(9月2日の独立記念日)にあたり、チャン・ドッィク・ルオン国家主席は10月、7773人の釈放期限の来ていない囚人および76人の収監されていない者に対する特赦令に署名した。規模は最大である。
10- 外国投資に対する環境の改善
レ・カ・フィェウ書記長とファン・バン・カーイ首相は外国政府関係者、投資家と会談し、投資に関するいくつかの改善 - 借地料、許可権の地方移管、優先分野への投資優遇など - を行った。しかし、外国投資は(前年に比べ)件数で50%、登記資本で70%の水準に留まった。
「ニャンザン紙」(Bao Nhan dan)より1998年の成果