カントー省オーモン県訪問報告集

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  1. 県農業室
  2. トイタィン村
  3. トイアン村
  4. クーロン河平野米研究所

オーモン県農業室

 オ−モン県(カントー省) 12村、1街区

大きく分けて2つの区域

1)河に近く高台の地域 9村

水の流れ(水はけ)がよい
1人当たり、1000F程度の土地の使用
1.5から2haの土地使用者は多い

2)河から遠く低い地域 4村

旧解放区、内2村は電気がない
1人当たり、2000F程度の土地の使用
3から4haの土地使用者は多い

2期作から3期作が普通

交通

乾期はバイクで往来ができるが、雨期は往来が困難

 

トイタィン村 副主席の報告および資料より

精米業、製氷業、清涼飲料水製造

939戸 (33.44%) 豊か
1603戸 (57.27%) 中間(豊かでも貧しくもない)
240戸 ( 8.57%) 貧困
40戸 ( 1.43%) 土地を持たない 日雇いや出稼ぎ
* 83年以降、旧所有者に返却
冬春米(93−94年)
     病虫害により被害がでた
土地抗争はまだ続き、生産にも影響
財政のアンバランス・赤字
辺鄙な地域の農民の生活程度は低い
幹部の能力にむらがある
トイタイン村の家族経営の精米所
米価格
市場で精米1kg1700ドン  
売り渡し籾1kg900〜1000ドン
銀行融資の利子
1月3.5%(93年) 2.91%(94年)
民間の利子
1月15%
日雇いの日当(1日当たり)
脱穀 12,000ドン 3ha
刈り入れ 20,000ドン
草取り 15,000ドン
耕地 20,000ドン 1ha
水牛に代わって92年から機械が導入されてきた
すべて人を雇って米の生産をすると400,000ドン(1000F当たり)

昨年の実績 「報告」書より

氈D経済−社会分野の計画達成

1)農業生産

総収穫高 14,885.5トン (計画の93.81%)
92・93年 春夏米 4.5トン/ha 夏秋米 4トン/ha
病虫害:「ゼイ・ノウ」「ルン・ソアン・ラ」
夏秋米から品種を変えるよう県が指導 銀行も融資

2)雑畑の改造

93年実績 73ha 果樹栽培に移行 (対象は198ha)
資金不足ではかどっていない

3)水利事業

93年実績 13用水路、8,148m=14,250F、652haの土地に供給
まだ、村全体には行き渡っていない
*25用水路 20,044m、52,533m3

4)畜産

販売において困難に会いながらも、維持
豚977頭(277頭増加) 鶏・あひる5匹/戸

5)勧農活動と生産互助組の強化

クーロン河平野米研究所および植物保護局との協力で、
IPMに関して3回に渡り、2クラスで152人の参加
生産互助組 21団体

6)工業・小手工業、運輸交通

工業・小手工業生産高 440百万ドン(計画の80.00%)
木材加工、機械修理
運輸交通 乾期に2輪車で通行できるようにすることが目標
「猿橋」(丸太でできた橋)は、板橋と竹弓橋に変えた。119橋の内27が板橋、残り竹弓橋
*110百万ドンが国より、農民の拠出は4.6百万ドン

7)税の徴収活動

農業税 787,061(計画726,000) 108.41%
工商業税 ?

8)財政工作

総収入 178,590,334ドン 計画の69.2%
総支出 180,558,480ドン 計画の69.9%
赤字が後半6カ月続いている

9)基盤建設−電灯

教育への投資 6,700,000ドン
交通への投資 71,800,000ドン
1959戸(7部落中7部落)への電灯 1年1人当たり3.6kw
*2259戸が電化されている
電化事業は農民の拠出で進められている

.文化−社会

1)教育

中学卒業74%、小学校卒業86.7% 91−92年に比較して13%増
中退者 91−92年で11.13% 現在は5.4%
現在は2交替まで、竹と葉の教室はなくなっている
*4校 41教室 小学校2校、中学校1校、保育所1所
75人勤務 中学校卒業レベル50%から84%へ94年内に引き上げ

2)医療

人口増加率 1.94%へ減少(92年2.01%)
予防注射 92.17%
*1診療所 4医療士(医師ではない)
診療所建設は農民の拠出

3)文化通信・体育

文化検査隊の設立? 活動は年間26回行われた 1人当たり1年間で16回
サッカーとバレーボールのチームを維持 記念日などに試合
村の有線放送を1つ増やした 朝と昼の2回放送

4)傷兵および社会問題

祖国戦線が政策家庭を訪れて、贈り物をした
しかし、予算の制約で「情義の家」は計画通りには建設できなかった
*政策家庭は、350戸、うち援助できているのが195戸(?)

。.治安国防と政権の建設

1)秩序の維持と社会の安全

悪質分子が民衆をけしかけ土地返還の騒ぎを興し大衆の平安を乱した
博打のたぐい

2)軍事:県主催の2軍事演習への参加

予備軍の管理と青年の該当年齢者のしっかりした把握
規律違反した青年の処罰の公正化
部落の演習 7部落中5部落 236単位
規律違反した青年の処罰は遅くまだ終了していない

3)政権の建設工作

首相による議定46/政府 にしたがって、村の権力の構成を変えている

5.トイアン村

地図を指さして説明するトイタイン村副主席

総人口 24,000人 3,917戸
自然面積 2,448ha
生産面積 1,917ha
内田圃 1,500ha
田の生産性:夏秋米5トン/ha、冬春米8トン/ha
畑 417ha ここ3年のあいだ
*ここ2年「畑作クラブ」を創設 400人の会員
みかん、サボチェ、竜眼など
特に3部落が発展している
気候・水など、とても自然条件に恵まれている
1haの田が0.1haの畑と同等の利益といわれる
「助け合いクラブ」
1)米の種子を貸す 低利、長期
2)技術(秘訣)を教え合う

トイアン村のみかん園

食糧加工工業が発展   

93年の自然人口増加率1.83%県で最低 全国でもかなり低い

「人口クラブ」

県の指示

  1. 納税 788トンの籾
  2. 徴兵 113%の達成
  3. 交通

貧富格差(?)

金持ち 1年100百万ドン(約100万円)以上の収入 5戸
裕福 1年30百万ドンから10百万ドンの収入 40戸
中間 10百万以下 多数

当面の困難

  1)農産物価格の不安定

92年価格40,000ドンから94年初頭価格8〜10,000ドン
輸出ができないので、国内で販売せざるを得ない

  2)資金不足

畑の改造に資金がかかる
銀行の融資は短期のみで、2−3年の融資期間が必要

電化

9部落中6部落が電化 1991年より2000戸
総支出 300百万ドン うち、173百万が農民の拠出
95年にすべての部落が電化予定
電気使用料 900ドン/kw

道路

89年より発展

耐久消費財所有率

 テレビ 60%
 バイク 10%
 自転車 1/3
 ラジオ 100%

教育

 小学校 3校
 中学校 1校
  保育所 1校
  教員 108人   
     (すべて地元の人間)
 クラス 97クラス
 生徒 3,867人
 文盲一掃運動

医療

1)医療
2)赤十字
肺病予防と、デング熱予防

文化・通信−体育・体操

1放送局、18個のスピーカー(9部落)
スポーツ大会

水利

「バオカップ」の時期に1000ha以上の地域に水を供給できるようにした
2期作ができるようになった
現在 47用水路(溝をふくまず)
25の用水路 9,127m−体積87,000m3
94年 4用水路の浚渫 3,800m−4,500m3

財政

1993年繰り越し 2,413,000ドン
1期の収入 53,873,958ドン
1期の支出 54,120,400ドン
繰り越し 2,163,658ドン

6.クーロン河平野米研究所の技術センターの副所長の話から

IPM運動(統合的病虫害管理運動)の背景

直播きのため、病虫害にやられやすい

蒔くときに、1haあたり180〜200kgで十分なところ、250〜300kg蒔く。肥料もそのため1ha(1期当たり)当たり120kg(本来100kgでもあまる)。このため、病虫害が発生しやすい。殺虫剤の使用料が極端に多い。これを減らす耕作体系としてIPM運動

 農民生活の一般的特徴

高校進学者がほとんどいない、子供の多くが中退
78%は水路を主要な交通とする
電化や医療程度が低い
最も、弱点となっているのは、人間 協業になじまない
水かさが増すときには、家を捨てて移動 堤防には頼らず建設ずみのも放棄
ただし、経済的には創意
商品の原価を下げるように行動(通常、労働力の節約) 試行錯誤を繰り返す
時として、研究所よりも生産性が高い方法を編み出す
これは、北ではありえない

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